初めての、東京マラソン2019 (2019.03.03)

ついにその日がやって来た!
一生走ることは無いと思っていた東京マラソンを、ついに走るのだ。

 

華やかな東京マラソンは、たぶん私には縁の無い世界なのだと、毎年くじに外れるたびに思っていた。
そんな私が、11回目にしてようやく当たりくじを引き当てたのだ。そうなってみると、やっぱり東京は特別なイベントだと思えるし、正直そこを走れる事に喜びが溢れてくる。
 

 心配なお天気

しかし、そんなせっかくの東京マラソンだが、天気予報があまり良くない。変わりやすい春先の予報はなかなか難しいそうだが、最初は雨予報。しかし週の後半になって雨の降り出しが遅れ、雨は夕方以降との予報になった。良かったと胸をなでおろしたが、前日午後になって、予報は一転。早朝から雨の予報に変わってしまった。なんということだろう。夏の雨は悪くないが、気温の予想は5~8度くらいと真冬並みの寒さだ。寒さに震えながらの東京マラソン
を覚悟した。
 

荷物をどうしようか?

 家を出てから会場までのウェアと荷物。スタートを迎えるまでの待機時間の過ごし方とウェア。走る時のウェアとゴール後荷物を受け取り着替えるまでの行動など、随分前からあれこれと考えていた。なにしろ初参加なので、スタート地点の状況も想像がむずかしいし、終わってからどんな動きになるのかもイメージが鮮明にならない。しかし、スタート前もスタート後も寒さに震える事になるのだろうと言う事は容易に想像できた。そこで経験者の書いたブログなどを読み漁り、いろいろ作戦を立ててみた。
 
何しろ3万人以上のランナーが新宿都庁前に集結し一斉に丸の内でゴールするのだから、会場はかなら混雑して荷物の受け渡しも大変だろうと考えた。
そこで、ゴール地点に至近の東京駅丸の内口のコインロッカーを私設荷物預けにしたら便利なのではないか。コインロッカーに朝荷物を預けたら、100均の合羽を着て新宿に向かう。ゴールしたら、さっさとロッカーで荷物を取り出して、トイレで着替え、総武快速に乗る。これはかなり賢い作戦だと思った。
 
しかし、この作戦が全く裏目に出る事を、ゴール後思い知らされることになる。冷たい雨の中をゴールして、やれやれ。さて東京駅に向かおうかと思ったが、実はゴールしたランナーには移動ルートが決まっていて、東京駅の方角には向かえない! 東京駅に向かってゴールした後、皇居に向かって少し歩いてから左方向にUターン。そのまま東京駅に向かって歩くと、日比谷通りをお堀に沿って強制的に右折させられる。お堀沿いに歩いてゆくと、その先に完走メダル、タオル、荷物受取所などが続いているのだ。「そうか、メダルとタオルをもらうには日比谷方向に進むしかないのか。」と諦めてそのまま進みメダルとタオルを受け取る。その先には荷物受取の長机が並んでいるが、受け取る荷物はないのだ。日比谷ではなく東京駅に向かいたいのだが、誘導路はしっかりと柵で囲われていて、コースを外れることが出来ないのだ。寒い中、延々と日比谷公園まで歩きたくはないけれど、前に進むしかないので諦めて歩いて行ったが、何しろ寒い! 気温は5~6度。走っているときは寒さをあまり感じなかったけれど、ゴールしてのろのろと歩いていると、体が震えるように寒い。これならそれほど混雑していない受取所で荷物を受け取って、近くにある更衣テントで着替えてしまったほうが良かったのだ。
 
しかし、もう後の祭り。後でわかったことだが、荷物預けなしでエントリーしておけば、ゴール後右回りにUターンして東京駅方面に進めたらしい。知恵を出したつもりだったが、結果は大失敗であった。寒さに震えながらとぼとぼと日比谷方面に向かう途中、沿道の策に隙間があったので、そこを抜ける。コースの仲通りは地下道で潜り抜けて地上に戻ると、そこは有楽町の駅。もう1駅分歩いてきたのだった。そこから東京駅まで電車には乗らず、歩道をまたとぼとぼと。雨と汗に濡れたウェアでのこのウォーキングは、本当につらかった。次走る時は、荷物預け無しでエントリーすることにしよう。
 

スタート地点、東京都庁に向かう

 
さて、時計を巻き戻し、早朝の東京駅。荷物を預けたあと、走る格好の上に雨合羽を着て丸ノ内線に乗る。東京駅ではそうでもなかったが、銀座からはたくさんのランナーで車内は一杯になる。海外からと思われる人たちのグループもいて、なんだかテンションが上がってくる。新宿到着後は地下通路を人の流れに沿って都庁方面に向かう。都庁の少し手前で地上に出て、指定されたゲートから入場する。ここでセキュリティーチェックを受けるが、待ち時間は5分ほど。
 
それにしても、スタートエリアは凄い人の数! 雨はしっかり本降りだ。雨のかからない道路下のスペースを見つけて、ここで待機。スタートの9:10までは約1時間ちょっと。しかしスタートの列には8:45までに到着しないといけない。25分前の8:20に移動を開始。しかし、私のナンバーに記されたGブロックまで、人が渋滞していてなかなか進めない。間に合うか? 不安がよぎるが、なんとか8:35に列に到着。さあいよいよと行きたいが、スタート時刻まではまだ30分以上あるのだ。ビニール合羽を着ていても、動いていないのでじわじわと冷えてくる。足踏みしながらひたすら耐える。う~ん、これはやっぱり試練! 

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都庁に向かう西口地下通路。

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指定されたゲート1より入場する。

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ゲート1 セキュリティーチェックを受ける列。

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スタートエリア内を埋めるランナー。

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Gグループのスタート地点。右の白いビルはワシントンホテル。ここで30分待機。

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いよいよスタートラインへ。

9時10分丁度。近くのスピーカーから聞こえてくる音声で、東京マラソン2019がスタートしたことを確認。しばらくして、列はのろのろと進む。スタート地点の都庁が見えてきたところで、ビニル合羽を脱ぎ捨てて、スタッフに渡す。さあ、いよいよ出発。
 

いよいよスタート

9時10分のスタートから、私がスタートラインを通過するまでのロスタイムは約14分。ゆっくりと走り始め、やがて西新宿の高層ビル街から靖国通りの新宿大ガードへと向かう。あの広い靖国通りを上り下り両側の車線をいっぱいに埋めて、膨大な数のランナーの群れが進む。これは壮観! 大ガードを超えて進む歌舞伎町の入り口辺りには、もの凄い数の観衆が歩道を埋め尽くしている。こんな天気だから観客も少な目かと思っていたが、とんでもない。観衆の数の多さと絶え間ない声援にもうスタートから感動してしまう。この大観衆の声援を受けて、今私は東京マラソンを走っているのだと思うと、ちょっとウルウルしてくる。なるほど、これが東京マラソンなのだ。「10万円払ってでも参加する」と言っていた友人の気持ちが、理解できたような気がする。
 
これだけ広い道だと、よくあるスタート後の渋滞は全く発生しない。テンションの高いまま、四谷~市ヶ谷~飯田橋日本橋と駆け抜ける。ペースは6分/キロ程度。全く快調。このままゴールまで行けそうな感じで、そうなれば久々の好記録。そんなことをイメージしながら、雷門へと向かう。雷門で距離は15キロ。1月の試走の時には、もうこの辺りでかなり疲れていたけれど、今日は快調。雷門で大きくUターンして門前中町へ向かう。どこまで行っても観衆が途切れない。東京マラソン、ヤッパリ凄い。
 

15キロ雷門を過ぎて、30キロ銀座4丁目まで

17キロ地点付近のエイドで、スタッフを務める友人ランナーからバナナを受けとる。このエイドに2人の友人ランナーが居る事は事前に聞いていたが、普通のマラソンとはエイドの規模があまりにも違って大きく、こちらからは見つけられなかったが、友人が見つけてくれた。感謝です。
ここまでは全く好調。しかしこの後、徐々に足が重くなってくる。同じペースで走っているつもりなのだが、ペースが少しずつ遅くなってくる。富岡八幡宮を過ぎたところで押り返してすぐに21キロ中間地点を迎える。この辺りは橋が多く、橋の部分は若干上り下りがあるのだが、その少しの上り下りが結構きつくなってきている。雨は小止みなく降り続いていて、もう今日はしょうがないなあと思って進む。
 
来た道を日本橋へと戻る。日本橋の少し手前、浜町の明治座を少し過ぎたあたりで、友人ランナー達の応援を受ける。頂いたイチゴ、美味しかった!
 

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実は後で知ったのだが、友人ランナー達の応援を受けた直後、浜町交差点付近で職場の同僚2人が応援してくれていた。その時には全く気が付かなかったのだが、同僚は私を見つけてくれて、録画まで撮ってくれていたのだ、感謝!
 
日本橋の交差点を左折して銀座へと向かう。銀座通りは本当に美しい道。広い道路の真ん中を声援を受けて走れるのは、ランナーとして本当に幸せなことだと思いながら走る。銀座4丁目の交差点を右折してすぐに30キロ地点。あと12キロだ。
 

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銀座通りを走る。

大観衆の中のゴール

 
しかし、足はもう相当にきつい。まあ私のフルマラソンはだいたいこんな感じだが、30キロ~40キロは本当にいつもきつい。もう前半のような感じでは足が動かないが、とにかく前へ進む。大きくペースダウンしてもとにかく走る!33キロ過ぎたあたりで、友人ランナーのグループが声援を送ってくれる。一番きついところなので、応援はありがたい。日比谷から品川駅の少し手前まで、片道約6キロの往復になるが、この往きにあたる部分はゴールから遠ざかっていくことになるので精神的にはつらいところだ。実際なんとか品川駅手前の折り返しを過ぎて日比谷に向かうようになると、いよいよ距離も残り6キロだし、帰り道という感じがして、足取りも少し軽くなったように感る。マラソンはメンタルの影響が本当に大きい。
 
途中、田町駅の近くで友人ランナー3人から声を掛けられる。沿道に応援してくれている友人の顔を見つけるのは、本当に嬉しいものだ。 さらに、ゴールも近くなって増上寺の近くで、もう1人友人ランナーから声をかけてもらう。今日の天候はランナーよりも応援する側が辛かっただろうと思う。そんな天候にも関わらず、膨大な数のランナーの中から私を見つけて応援してくれる友人には、ひたすら感謝!

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田町付近。

 

日比谷交差点を銀座方面に右折してすぐ、残り1キロの表示を左折。ここからゴールまでの丸の内仲道りは、並木の美しい道。道幅もそんなに広くないので、両側の声援も身近に感じられて、まさに完走ビクトリーロード。そして東京駅丸の内駅前を左折すると、皇居に向かってゴール! なんと素晴らしいロケーション! 海外からのランナーも沢山いたけれど、こんなに美しい首都東京の道路を走ってもらえて、誇らしい気持ちになった。
 
何度も走っているフルマラソンだが、東京のゴールはやっぱり特別であった! 
また、機会があるかどうかわからないが、また走りたい! もう1回くらいは走れるかな?
 

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