御池~燧ケ岳 2018.10.21
冷たい雨が降り続いた伊南川ウルトラ翌日の21日。
早朝から爽やかな快晴に恵まれました。
レース中に登った最高地点である標高1700mの沼山峠は、尾瀬の福島側の玄関口になります。尾瀬沼はこの峠から、徒歩で僅かに1時間の位置にあるのです。前から行ってみたいと思っていた尾瀬。せっかくそのすぐ傍まで来ているのですから、ウルトラ明けではあるけれど、翌日は是非尾瀬沼まで行ってみたいと思いました。
前日に100キロ走った疲労はあるだろうけれど、緩やかな道を1時間頑張って尾瀬沼まで行ってみよう。沼の畔を少し散策してから有名な長蔵小屋でランチして、ゆっくり過ごそうと考えていました。前日まではです。
しかし、朝外に出てみると、あまりにも素晴らしい晴天なのです。心が揺れました。どうせなら尾瀬沼を見下ろすようにそびえ立つ、燧ヶ岳に登りたいと。
燧ヶ岳は標高2356m。東北地方最高峰を誇る山です。尾瀬沼や尾瀬ヶ原の展望が素晴らしい事は知っていました。こんな良い天気の時に登らないで、いつ登るのだ! 今年は9月に予定していた登山計画が相次いで中止になりました。晴天の山にに飢えていたのですね。
尾瀬の福島側の玄関口は沼山峠だが、御池~沼山峠間はマイカー規制のため、シャトルバスを利用してアプローチすることになる。今回は燧ケ岳に直接アプローチする。
御池駐車場から燧ケ岳山頂(柴安ぐら2356m)まではコースタイムで約4時間だ。
伊南川ウルトラの定宿、須賀屋を8時に出発。
昨日、往きも帰りも走った「ミニ尾瀬公園」前を通過。雲一つない快晴だ。
七入り橋に向かう道は、明るい樹林帯が続く。
七入り橋の手前から見える、燧ケ岳。
七入り橋から御池駐車場への道は、紅葉(黄葉)が見事だ。昨日はひたすら坂道を駆け下った区間だ。
御池駐車場に到着。紅葉の時期の尾瀬の入り口。しかも日曜日だが、ここは収容400台停まれるので、全然余裕だ。
エイドのテントが設営されていた尾瀬御池ロッジ前。昨日は冷たい雨が降っていたなんて想像出来ないような好天だ。停まっているバスは、沼山峠に向かうシャトルバスだ。
ここでトイレに寄って、さあ出発。このコースには山小屋もトイレも全く無いのだ。
登山道入り口は、大駐車場の一番奥になる。
最初は美しい遊歩道を行く。
遊歩道を少し進んで、ここから左折。三条の滝へはここを直進する。
古い木道の道を行く。
このコースは、岩のゴロゴロしたところを登る区間が多い。いや、山のほとんどが岩のような感じだ。写真ではわかりにくいが、かなりの傾斜を登ってゆく。
1時間ほど登ると、開けたところに出る。広沢田代だ。
いかにも尾瀬!
さらに進む!
前日雨だったせいで、あちこちにぬかるみが出来ている。
木々の間に、会津駒ケ岳が見えてくる。
五合目通過。
振り返ると、さっき通過した広沢田代が眼下に広がる。
広沢田代とナナカマドの実。
また1時間くらい登ると、いよいよ燧ケ岳が姿を見せる。
二つ目の湿原、熊沢田代だ。
ベンチがあって休憩できるようになっている。雲上のオアシスだ。
草原の向こうのこの山は、平が岳か?
田代を過ぎてしばらくすると、後方に湿原の絶景が広がる。
7合目まで来た!
この辺りから、うっすらと雪が。昨日の雨が、山の上は雪だったのだ。水のない沢のような地形を登る。傾斜がきつく、浮石も多いので神経を使う。
振り返ると、会津駒がどんどん存在感を増してくる。山頂付近はなだらかな湿原が広がっているそうだ。遠くから見ても、いい感じだ。
9合目! あと少し! 日陰はけっこう雪が残っているようになる。滑らないように慎重に登る。
ついに山頂!
俎(まないた)ぐら2346m。 カメラのレンズにごみが着いたらしい。ボカシが入ってしまった。
眼前に、尾瀬沼が広がる。絶景! この景色を見たかったのだ!
尾瀬沼の手前にあるピークはミノブチ岳。長蔵小屋は沼の左端だ。ここから長英新道で下ると3時間くらいだ。ウルトラ明けで不安だったけれど、ここまで登ってきて良かったと思う。
俎ぐらで、おにぎり昼食をとったが、実はここはまだ山頂ではなくて、本当の燧ケ岳山頂は隣にある「柴安ぐら」なのだ。ここから急坂を一旦下って、登り返さなくてはいけない。コースタイムでは20分だったが、滑り安いところもあって、30分ぐらいかかった。距離は本当に近くて、山頂の人影もはっきりと見える。
柴安ぐらの左側に、大きな尾瀬ヶ原が広がっている。正面は至仏山だ。
柴安ぐら山頂直下! 大きな岩の間をよじ登る。
ここが本当の燧ケ岳山頂 2356mだ。こちらの方が10m高い。
まっすぐに伸びる、尾瀬ヶ原の木道。
尾瀬ヶ原のズームアップ!
「柴安ぐら」から最初に登った俎ぐらを望む。
ここも山頂近くは岩々!
両手も使ってよじ登る。
帰り道は、今登ってきた道を戻る。手前の岩の向こう側辺りが御池。右の方の谷になっているところが七入辺りか。遠望は会津駒ケ岳。
再び熊沢田代へ。
朝登ってきた時と同じ風景だけど、午後になって太陽の光が赤味を帯びてきたので、草紅葉が一層美しい!
山頂に立ちたい意欲満々だった為か、往きは前日の疲れも思ったほどではなかったが、帰り道はさすがにきつかったです。筋肉痛はまだ本格的には始まる前だったようですが、筋肉痛は登りよりも下りがきついのです。良くこんなに登ったものだと思いながら、急傾斜な岩ゴロゴロの道を延々と下り、4時半過ぎに無事御池駐車場へ帰還。
快晴無風。滅多にないような好天を堪能して、帰路につきました。